漫然投与しない医薬品例
消化器用剤
PPI
各薬剤の用法や用量の詳細は情報量が多くて見にくいので割愛します。
・タケプロン(ランソプラゾール)
・ネキシウム(エソメプラゾール)
・オメプラール(オメプラゾール)
・パリエット(ラベプラゾール)
・タケキャブ(ボノプラザン)
①胃潰瘍、吻合部潰瘍:8週まで
十二指腸潰瘍:6週まで
②逆流性食道炎:8週まで
③非びらん性胃食道逆流症:4週まで
④非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
⑤低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
①胃酸を抑えるのでPH上昇→負のフィードバック↓→高ガストリン血症となり胃癌・大腸癌の発生促進の危険性がある
②長期の使用経験が十分じゃない
③海外における複数の観察研究で、PPIによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で骨折リスクが増加。
④海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、PPIを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
ガスモチン(モサプリド)
①慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)
「一定期間(通常2週間)投与後、消化器症状の改善について評価し、投与継続の必要性について検討すること。」という注意がある。
長期だと劇症肝炎や重篤な肝機能障害,黄疸などの重大な副作用のリスクがあるからですね。
アコファイド(アコチアミド)
①機能性ディスペプシアにおける食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感
「 1 ヵ月間投与しても症状の改善が認められない場合は投与中止を考慮すること。」という注意がある。
添付文書の長期投与試験結果は「食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感を主症状とする機能性ディスペプシア患者注8)を対象に、 4 週毎の来院時に症状の改善の程度により休薬、再服薬、中止、終了することが可能とされていた長期投与試験において、投与 4 週時及び24週時の「被験者の印象の改善率」はそれぞれ48.9%(193/395例)及び48.9%(69/141例)であった。24週時まで一度も休薬せずに継続投与された患者は405例中22例であり、本剤の長期投与が必要となる患者は限られていた。なお、症状改善による休薬例は75.1%(304/405例)で、そのうち50.7%(154/304例)で症状の改善が12週間継続し、本剤の投与を終了した。」となっています。要は24週連続して投与が必要な患者は22/405程度の人数なので症状が落ち着いたら漫然投与せずに一度休薬して必要になれば再開を検討したほうがいいよ!ってことでしょうね。
コロネル(ポリカルボフィルカルシウム)
①過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状
「症状の改善が認められない場合、長期にわたって漫然と使用しないこと。(通常 2 週間) 」と注意がある。
添付文書には理由はないですがインタビューフォームによると「用法・用量通りに使用しても効果が認められない場合,他の器質的疾患の存在の可能性があり,長期間にわたって漫然と投与すべきではない。」という理由のようです。
ガナトン(イトプリド)
①慢性胃炎における消化器症状(腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振、胸やけ、悪心、嘔吐)
「消化器症状の改善がみられない場合、長期にわたって漫然と使用すべきでない。」と注意がある。
添付文書には理由はないですがインタビューフォームによると「消化管運動を賦活することにより症状を改善する薬剤であることから, 本剤の投与により消化器症状の改善が見られない場合, 消化管運動障害外の原因が考えられるので, 漫然と使用するのではなく, 適切な検査を行うなど原因を解明する必要がある。」という理由のようです。
サラジェン(ピロカルピン)
①頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善
②シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善
「本剤を12週間投与して効果が認められない場合には,その後の経過を十分に観察し,漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。」と注意があります。
添付文書には理由はないですがインタビューフォームによると「サラジェン錠の承認時の国内臨床試験(頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善)における成績に基づき,米国の添付文書を参考にして設定した。国内の第Ⅱ・Ⅲ相臨床試験(頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善)の評価は 12 週で実施しており,52 週まで検討した長期投与試験でも 12~16 週以降安定した改善効果が得られている。また,米国の添付文書にも「初期の改善が認められても,本剤による有益な効果が得られるかどうかを評価するためには,本剤による治療は少なくとも 12 週間継続する必要があると思われる。」との記載がある。以上のことら,12 週が効果を見極める目安と考え,重要な基本的注意に記載した。シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善においても経過を十分に観察し,投与の継続を判断すること。」となっています。要は12週が効果判定の目安の期間なのでそこで効果が出ているかが重要ということですね。
サイトテック(ミソプロストール)
①非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍
「本剤を12週間以上投与しても改善傾向が認められない場合には、他の療法を考慮すること。」と注意があります。
添付文書には理由はないですがインタビューフォームによると「本剤が無効にもかかわらず、漫然と投与を継続することがないよう、12 週間を目途に改善状態を確認することとした。」とあります。下痢・軟便・腹痛などの副作用もあるので効果がないなら漫然で出す必要はないですね。
次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス
①下痢症
「精神神経系障害があらわれるおそれがあるので長期連続投与を避け、やむをえない場合には、原則として1カ月に20日程度(1週間に5日以内)の投与にとどめること。」と注意がある。
重大な副作用に「ビスマス塩類(次硝酸ビスマス、次没食子酸ビスマス)1日3~20gの連続経口投与(1ヵ月~数年間)により、間代性痙れん、昏迷、錯乱、運動障害等の精神神経系障害(初期症状:不安、不快感、記憶力減退、頭痛、無力感、注意力低下、振せん等)があらわれたとの報告がある。これらの報告によれば、症状は投与中止後数週間~数カ月で回復している。」と記載があります。
脳循環・代謝改善薬
セロクラール(イフェンプロジル)
①脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴うめまいの改善
「本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。」と注意あり。
添付文書には理由はないですがインタビューフォームによると「一般的に脳循環・代謝改善薬は作用が緩徐であるため、一定期間投与した時点で効果を判定する必要がある。これらの薬剤の効果は、約8~12週で認められるといわれているため、投与12週で効果が認められない場合は投与中止し、他の薬剤へ切り換えること。」と記載があります。要は8~12週で効果がでるので12週が区切りのようです。
サアミオン(ニセルゴリン)
①脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害による意欲低下の改善
「本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。」と注意があります。
添付文書には理由はないですがインタビューフォームによると「使用成績調査の症状別改善率を経時的に検討すると,いずれの症状も改善率は,本剤投与後 4 週,8 週に上昇し,12 週でほぼピークに達した。」とあります。要は12週で改善率が頭打ちなのでそれ以上は意味ないってことですね。
解熱鎮痛・NSAIDs
セレコックス(セレコキシブ)
①下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎
②手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛
「慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対する使用において、本剤の投与開始後 2 ~ 4 週間を経過しても治療効果に改善が認められない場合は、他の治療法の選択について考慮すること。」と注意がある。
用法及び用量に関連する注意に「本剤の 1 年を超える長期投与時の安全性は確立されておらず、外国において、本剤の長期投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象の発現を増加させるとの報告がある。」と記載があります。
フルカム(アンピロキシカム)
①下記疾患並びに症状の鎮痛、消炎
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群
「投与に際しては、その必要性を明確に把握し、少なくとも投与後2週間を目処に治療継続の再評価を行い、漫然と投与し続けることのないよう注意すること。外国において、本剤が、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤に比較して、胃腸障害及び重篤な皮膚障害の発現率が高いとの報告がされている。」と注意がある。
用法及び用量に関連する注意で「他の非ステロイド性消炎鎮痛剤に比較して、胃腸障害及び重篤な皮膚障害の発現率が高いとの報告がされている。」と記載があり、 重要な基本的注意には「長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査、肝機能検査及び便潜血検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずること。」となっているため。
トラムセット(トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン)
①非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛
非がん性慢性疼痛、抜歯後の疼痛
「本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。」と注意があります。
添付文書には理由はないですがインタビューフォームによると「慢性疼痛患者においては、本剤の投与が長期にわたることが想定されるため設定した。本剤には依存リスクがあるため、本剤投与による十分なベネフィットが得られない場合には漫然と投与することなく、別の治療選択肢を検討すること。また、診察時には、毎回症状の変化等を確認し、投与継続の必要性を検討すること。」とあります。
ノイロトロピン(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)
①帯状疱疹後神経痛、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性関節症
「帯状疱疹後神経痛に対しては、4 週間で効果の認められない場合は漫然と投薬を続けないよう注意すること。」と注意があります。
添付文書には理由はないですがインタビューフォームによると「本剤の帯状疱疹後神経痛に対する臨床試験では、投与開始後2 週間及び4 週間でその効果を観察した。」とあります。試験の時は2週と4週で効果をみているのでそれ以上は効くか分からないってことでしょうか。
アンヒバ、アルピニー、カロナール坐剤(アセトアミノフェン)
①小児科領域における解熱・鎮痛
「原則として長期投与を避けること(原則として5日以内に限ること)」と注意があります。
対症療法だからですね。
ロルカム(ロルノキシカム)
①下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎
②手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛
「②の手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛に用いる場合、 1 回8 mg、 1 日 24 mg 及び 3 日間を超えて、投与された経験はなく、安全性は確立されていないので、用法・用量を遵守すること。」と注意がある。
注意の記載通り「1 回8 mg、 1 日 24 mg 及び 3 日間を超えて、投与された経験はなく、安全性は確立されていない」からですね。
バキソ(ピロキシカム)
①下記疾患並びに症状の消炎、鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群
「本剤の投与に際しては、その必要性を明確に把握し、少なくとも投与後2週間を目処に治療継続の再評価を行い、漫然と投与し続けることのないよう注意すること。外国において、本剤が、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤に比較して、胃腸障害及び重篤な皮膚障害の発現率が高いとの報告がされている。」と注意がある。
「慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には次の事項を考慮すること。長期投与する場合には、定期的に尿検査、血液検査、肝機能検査及び便潜血検査等を行うこと。また、異常が認められた場合に
は、減量、休薬等の適切な措置を講ずること。」と重要な基本的注意に記載がある。
月余にわたって漫然投与しない医薬品
メチコバール、レチコラン(メコバラミン)
①末性神経障害
「本剤投与で効果が認められない場合、月余にわたって漫然と使用すべきでない。」
ハイボン(リボフラビン酪酸エステル)
①高コレステロール血症
②ビタミンB2欠乏症の予防及び治療
③ビタミンB2の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:口角炎、口唇炎、舌炎、脂漏性湿疹、結膜炎、びまん性表層角膜炎
④ビタミンB2の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働等)
「①と③には効果が、ないのに月余にわたって漫然と使用しない。」
ビタノイリン(フルスルチアミン、ピリドキサールリン酸エステル水和物、ヒドロキソコバラミン、リボフラビン)
①本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
②下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺
「効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。」
アリナミンF(フルスルチアミン塩酸塩)
①ビタミンB1欠乏症の予防及び治療
②ビタミンB1の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時等)
③ウェルニッケ脳症
④脚気衝心
⑤下記疾患のうちビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:神経痛、筋肉痛、関節痛、末梢神経炎、末梢神経麻痺、心筋代謝障害、便秘等の胃腸運動機能障害、術後腸管麻痺
「①~④以外の効能・効果に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。」
ノイロビタン(オクトチアミン、 リボフラビン、ピリドキシン塩酸塩 、シアノコバラミン)
①本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)
②下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺
「効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない」
トリドセラン(チアミン硝化物 、ピリドキシン塩酸塩、ヒドロキソコバラミン酢酸塩)
①下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺
「①に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。 」
アリチア(チアミンジスルフィド、ピリドキシン塩酸塩、シアノコバラミン)
①本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
②下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺
「効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。」
パントシン(パンテチン)
①パントテン酸欠乏症の予防及び治療
②パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など)
③下記疾患のうち、パントテン酸の欠乏又は代謝障害が関与する
と推定される場合:高脂血症、弛緩性便秘、 ストレプトマイシン及びカナマイシンによる副作用の予防及び治療、急・慢性湿疹、血液疾患の血小板数ならびに出血傾向の改善
「①~③に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。」
抗パーキンソン薬
シンメトレル(アマンタジン塩酸塩)
①パーキンソン症候群
②脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善
「②に使用する場合:投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。」
③A型インフルエンザウイルス感染症
「③発症後に用いる場合:発症後は可能な限り速やかに投与を開始すること(発症後48時間以降に開始しても十分な効果が得られないとされている)。また、耐性ウイルスの発現を防ぐため、必要最小限の期間(最長でも 1 週間)の投与にとどめること。」
②は12週が効果がでているかの境目ということでしょう。③は耐性ウイルスの発現を防ぐためですね。
ドプス(ドロキシドパ)
①パーキンソン病(Yahr重症度ステージIII)におけるすくみ足、たちくらみの改善
②下記疾患における起立性低血圧、失神、たちくらみの改善シャイドレーガー症候群、家族性アミロイドポリニューロパチー
③起立性低血圧を伴う血液透析患者における下記症状の改善:めまい・ふらつき・たちくらみ、倦怠感、脱力感
「血液透析患者への適用にあたっては、1ヵ月間投与しても効果が認められない場合には、投与を中止すること。」と注意があります。
その他ピックアップ
オパルモン(リマプロスト アルファデクス)
①閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
②後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLE試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善
「②に対しては、症状の経過観察を行い、漫然と継続投与しないこと。」と注意がある。
キネダック(エパルレスタット)
①糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状(しびれ感、疼痛)、振動覚異常、心拍変動異常の改善(糖化ヘモグロビンが高値を示す場合)
「投与中は経過を十分に観察し、12週間投与して効果が認められない場合には他の適切な治療に切り換えること。」と注意がある。
12週が効果判定のラインということでしょうか。
アサコール(メサラジン)
①潰瘍性大腸炎(重症を除く)
「1 日3,600mgを、 8 週間を超えて投与した際の有効性は確立していないため、漫然と投与せず、患者の病態を十分観察し、重症度、病変の広がり等に応じて適宜減量を考慮すること。」と注意があります。
8週を超えた投与の安全性が確率されていないためです。
リーバクト(イソロイシン、ロイシン、バリン)
①食事摂取量が十分にもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症の改善
「本剤を2ヵ月以上投与しても低アルブミン血症の改善が認められない場合は、他の治療に切り替えるなど適切な処置を行うこと。」と注意があります。
2カ月が効果判定のラインということでしょうか。
クレメジン(球形吸着炭)
①下記の疾患における尿毒症症状の改善及び透析導入の遅延慢性腎不全(進行性)
「本剤服用中においては,血清クレアチニン及び尿毒症症状の変化等の経過を適宜観察し、投与開始6ヵ月を目標に投与継続の適否を検討する。改善が見られない場合には、中止又は他の療法を考慮する等の適切な処置を行うこと。」と注意がある。
6カ月が効果判定のラインということでしょうか。
糖尿病用薬
「本剤投与中は、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には他の治療法への変更を考慮すること。」
・アクトス(ピオグリタゾン)
・テネリア(テネリグリプチン)
・マリゼブ(オマリグリプチン)
・オングリザ(サキグリプチン)
・グラクティブ(シタグリプチン)
・ジャヌビア(シタグリプチン)
・エクア(ビルダグリプチン)
・トラゼンタ(リナグリプチン)
・スーグラ(イプラグリフロジン)
・ジャディアンス(エンパグリフロジン)
・カナグル(カナグリフロジン)
・フォシーガ(ダパグリフロジン)
・アプルウェイ(トホグリフロジン)
・デベルザ(トホグリフロジン)
・ルセフィ(ルセオグリフロジン)
・シュアポスト(レパグリニド)
・グルファスト(ミチグリニド)
・スターシス(ナテグリニド)
・ファスティック(ナテグリニド)
・グルコバイ(アカルボース)
・ベイスン(ボグリボース)
・セイブル(ミグリトール)
・ネシーナ(アナグリプチン)
・スイニー(アログリプチン)
・ザファテック(トレラグリプチン)
漫然投与に対する薬剤師の役割
漫然投与になっていないかしっかり確認する
多剤併用の場合は疾患を複数抱えている場合や合併症に使われている例も多いので現病歴や合併症の把握は重要です。
一時的に消化器異常で服用していた医薬品がいつまでも続いている場合や、NSAIDsが漫然投与されている場合は服薬の必要性を話し合いましょう。
Do処方に目を向ける
Do処方には漫然投与が隠れていたりします。
毎回の鑑査で各薬剤の必要性について考えて話を聞いてみることが大切です。
漫然投与によるデメリットを理解する
服用薬剤調整支援料1・2の算定につながる
効果がないのに漫然投与されていると疑われるものについては、患者さんと相談した上で必要に応じて処方医に減薬の提案を文書で行いましょう。
まとめ
・漫然投与になりやすい医薬品には確認の目安の期間が設定されている。
・効果がないのに使い続ける必要性がない&副作用のリスクもある!
・薬剤師として薬の必要性を患者さんとしっかり話すことが大事!