薬剤師向け

1年目で迷う一包化のあれこれ

くま先生
くま先生
一包化は患者さんにとっては便利で新たに一包化を依頼されることは避けては通れない道です。一包化できる医薬品か、一緒に一包化できない組み合わせではないか、調節の必要な医薬品ではないかなど注意するポイントがたくさんありますよね。
今回はそんな一年目でぶつかる一包化のあれこれをまとめてみました!

一包化できる医薬品か調べよう

どこで調べる?

くま先生
くま先生
みなさんはまず何で調べますか?一包化できないで有名な「セレニカR錠」を例にみてみましょう。

①添付文書

添付文書の「適用上の注意」「取り扱い上の注意」に記載がありますね。

「一包化調剤を避けること」としっかり明記されているので判断しやすい例になります。

この場合は吸湿性が問題ですが、他の医薬品も一包化できない理由をしっかりおさえておきましょう。

②インタビューフォーム

添付文書より情報量が多い分少し時間はかかりますが、試験内容もチェックできるので添付文書で分からない例はこれを使いましょう。

・「製剤に関する項目」の安定性試験結果をみよう!

・スクロールして探すと時間がかかるのでページ内のワード検索機能を使って素早く検索する!

・「安定性」や「製剤」のワードで検索するといくつか進めば見つかります。

インタビューフォーム「セレニカR錠200mg」より抜粋

・注目すべきは無包装の部分です!
過酷試験の25℃60%PHの環境では、24時間で溶出率の増加がみられ48時間で正常の変化がおきるようです。

24時間で溶出率増加して吸湿する医薬品を一包化して無事でいられそうにないですよね。

③ヤクチエのアプリ

くま先生
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「ヤクチエ」のアプリなら情報を最新のにしておけば一包化の可否や粉砕の可否を簡単に検索できます!結構便利で時間もかからないのでおすすめです。

「ヤクチエ」アプリのセレニカR錠より抜粋

粉砕も粉砕のハンドブックがあれば手軽ですがこのアプリでもチェックできます!

④メーカーに問い合わせ

①~③を調べたうえでも判断が難しい場合やより詳しく聞きたい場合はメーカーに問い合わせましょう。

添付文書に連絡先の記載があるのでどうしてもな場合は問い合わせてみるのも手です。

一包化して調節が困難にならないか確認しよう

自己調節薬

NSAIDsやマグミットなど自己調節して服用する可能性のある薬剤の一包化は患者さんにも確認してみましょう。

自己調節で服用する場合もあるので一包化して調節できなくなることがないようにしないといけません。

休薬の必要な薬剤

Do処方で継続していても侵襲的な手術の予定がある患者さんに休薬の必要な薬剤が一包化で出る場合があります。

休薬期間について確認したうえで一包化をどうするか相談しましょう。

一包化の組み合わせを確認しよう

メトホルミンとオルメサルタン

メトグルコ添付文書より

メトホルミン塩酸塩とオルメサルタンメドキソミル製剤との一包化で変色の報告があります。

内科で処方されやすい2剤のためこれらの一包化には注意です。

不可の場合は代替品を提案

代替品を探す

くま先生
くま先生
一包化が不可の場合はすぐ疑義するのではなく代替品の提案もできるよう準備しておくといいでしょう。2度手間の疑義にならないよう事前準備が大切です!

・「セレニカR錠200mg」が一包化不可なので代替品は同成分で「デパケンR錠200mg」が一包化可能な製品なので提案できます。
「デパケン錠200mg」は徐放性がないことに加え一包化もできないのでふさわしくありません。

・同成分でなるべく動態も同じものを提案できると〇

・後発品ではメーカーによって一包化の可否が異なることがある
(例:アムバロ配合OD錠「ファイザー」は吸湿性で一包化不可。アムバロ配合OD錠「トーワ」は無包装・25℃75%PH・3カ月で外観・硬度・崩壊性・含量・溶出性に問題なく一包化条件付で可)

一包化加算の算定

一包化加算をとれるかチェック

算定要件を復習しておきましょう。

メディカルサーブ株式会社の一包化加算のページがわかりやすくまとまっています。

1剤と1調剤の違いを確認して要件を満たしているかチェックしましょう。

自家製剤加算と一包化加算

自家製剤加算の取れる半錠のものを一包化しても一包化加算しか算定できません。

ただ自家製剤加算のとれる半錠を一包化せず出す場合は自家製剤加算をつけられます。