薬剤師向け

後発メーカーの出荷調整に四苦八苦 

後発メーカーの出荷調整や出荷停止、「発注したのに入ってこない」「メーカー希望のある患者さんにメーカーを変更してもらわなければいけない」「後発品に不安があるのにまたメーカー変更」

こんな悩みが尽きない2021年ですが、10月になってまた出荷調整のお知らせが。

日医工の出荷調整の影響が大きいか

日医工」→「供給状況に関するお知らせ」の出荷調整品をみると沢井製薬東和薬品などの出荷調整品と重なっているものが多いです。

小林化工の「イトラコナゾール錠50mg「MEEK」」のリルマザホン混入から始まり、日医工の品質試験不適合品による行政処分で出荷停止・出荷調整が続いている余波で他メーカーの供給を上回っているのが大きいのではないでしょうか。

日本ジェネリック製薬協会が出した「会員会社供給調整状況一覧」では合計1739品目も出荷調整になっているというので驚きですね。

そんななかでも別の理由で出荷調整や出荷停止になっているものもあります。

共和薬品 「アメル」
製造所で複数の品目で製造方法、製造手順書に不備が発見

今後も出荷調整は続きそうですし、「日医工」の供給が以前の水準に戻ったとしても、以前の供給量に戻るかというと疑問があります。
他メーカーの供給量の増加が見込めるのかは不明ですが、そこを解決しなければしばらくは供給不足が続きそうです。

代替薬のリサーチと準備が必要

・ビソプロロール錠0.625mg
ビソプロロール錠0.625mgの供給不足で「ビソプロロール 0.625mg 錠供給不足に伴う対応に関する日本心不全学会からの提言」によると心不全治療での代替薬としてカルベジロールをあげています。変更の際は気管支喘息の有無など各項目の注意は確認しましょう。

・エディロールカプセル
エルデカルシトールおよびアルファカルシドール供給不足に伴う骨粗鬆症患者への対応に関する日本骨代謝学会、日本骨粗鬆症学会による提言」によると代替でアルファカルシドールに変えるのは避け、デノスマブと併用の場合はデノタスを使うなど患者によって変更の仕方が異なります。

このように学会が代替薬の提言がある場合もありますが多くはないものなので、知識を身につけていかないといけないですね。