【2026年調剤報酬改定】全変更点を一覧比較|2024年との完全対比・収益影響まとめ

2026年(令和8年)6月施行の調剤報酬改定では、調剤管理料・服薬管理指導料・地域支援体制加算・在宅患者訪問薬剤管理指導料など主要算定項目が大幅に再編されました。特に27日以下の短期処方では調剤管理料が実質大幅マイナス後発医薬品調剤体制加算が全廃になるなど薬局収益に直結する変更が多数あります。本記事では2024年(令和6年)改定との比較を一覧表で整理し、算定実務に必要なポイントをわかりやすく解説します。

目次

2026年(令和8年)調剤報酬改定:主な変更点一覧

施行日:2026年6月1日。変更点のある算定項目を中心に一覧でまとめました。

算定項目2024年(R6)2026年(R8)変化
調剤基本料145点47点↑+2点
調剤基本料229点30点↑+1点
調剤基本料3イ24点25点↑+1点
調剤基本料3ロ19点20点↑+1点
調剤基本料3ハ35点37点↑+2点
調剤管理料(29日以上)60点60点→維持
調剤管理料(28日)50点60点↑+10点
調剤管理料(27日以下)4〜50点(日数別4段階)10点(一律)↓実質大幅マイナス
調剤管理加算3点廃止🚫廃止
医療情報取得加算(旧構造)1点・年1回(調剤管理料注6)廃止電子的調剤情報連携体制整備加算に統合
かかりつけ薬剤師指導料(廃止)76点〜廃止(服薬管理指導料に統合)↓廃止・▲31点相当
電子的調剤情報連携体制整備加算医療DX推進体制整備加算(10/8/6点)8点(一本化)↓再編
在宅患者訪問薬剤管理指導料算定間隔は6日以上週1回算定に見直し→柔軟化
地域支援体制加算(名称変更)加算1:32点 〜 加算4:32点加算1:27点〜加算5:59点(新設)↑↓再編・大幅変動
後発医薬品調剤体制加算加算1:21点・加算2:28点・加算3:30点全廃🚫廃止

①調剤基本料の変更点

調剤基本料は全区分でプラス改定。特に基本料1(+2点)と3ハ(+2点)が政策的な引き上げ対象です。

区分2024年(R6)2026年(R8)差分
調剤基本料1(一般薬局)45点47点+2点
調剤基本料2(集中率高・大規模等)29点30点+1点
調剤基本料3イ(医療モール等)24点25点+1点
調剤基本料3ロ(特定処方箋集中)19点20点+1点
調剤基本料3ハ(大規模GC・低集中率)35点37点+2点
特別調剤基本料A(敷地内薬局)5点5点±0
特別調剤基本料B(特定条件薬局)3点3点±0

調剤基本料の詳細解説(施設基準・加算・疑義解釈)はこちら

②調剤管理料の変更点|短期処方は実質大幅マイナス

今改定で収益への影響が最も大きい変更点のひとつです。算定区分が「28日以上/27日以下」の2段階に簡素化されましたが、27日以下の処方はほぼすべて減算になります。

処方日数2024年(R6)旧点数2026年(R8)新点数差分
7日以下4点10点+6点(増)
8〜14日28点10点▲18点
15〜27日50点10点▲40点(最大減)
28日以上60点60点±0(維持)

🔴 影響が大きいのは15〜27日処方(▲40点=400円/処方)

  • 短期処方が多い薬局(皮膚科・精神科・小児科門前等)は収益への打撃が大きい
  • 8〜14日の処方も28点→10点(▲18点)と大幅減
  • 7日以下のみプラスだが、全体では短期処方が多い薬局はトータルでマイナス

また医療情報取得加算は旧・月1回制から年1回1点(調剤管理料注6)に変更。実質的に算定機会が大幅に減少します。

③服薬管理指導料の変更点|「かかりつけ区分」廃止・手帳と来局間隔で決定

服薬管理指導料は構造が大きく変わりました。従来の「かかりつけ薬剤師指導料(独立コード)」が廃止され、服薬管理指導料に統合されました。点数はお薬手帳の有無と来局間隔だけで決まるシンプルな体系に変わります。

新点数体系(2026年6月〜)

条件2026年(R8)点数
3ヶ月以内の来局 + お薬手帳あり(かかりつけ有無問わず)45点
3ヶ月超の来局、または手帳なし(かかりつけ有無問わず)59点
施設入居者への訪問服薬指導45点
情報通信機器を用いた服薬指導(オンライン)59点

2024年との対比|かかりつけ患者は大幅減算

区分2024年(R6)点数2026年(R8)点数変化
旧かかりつけ薬剤師指導料(手帳あり・3ヶ月以内)76点45点(服薬管理指導料1に統合)↓▲31点
服薬管理指導料1(手帳あり・3ヶ月以内)45点45点→変更なし
服薬管理指導料2(手帳なし)59点59点→変更なし

🔴 ポイント:旧かかりつけ薬剤師算定患者は1回あたり▲31点

  • 旧・かかりつけ薬剤師指導料(76点)は廃止され、服薬管理指導料(45点)に統合
  • かかりつけの同意を取得していた患者も、2026年6月以降は一律45点(手帳あり3ヶ月以内)
  • 「かかりつけ」の地域貢献評価は地域支援体制加算等の施設基準で別途評価される方向に

④電子的調剤情報連携体制整備加算の変更点

2024年改定の「医療DX推進体制整備加算(3段階)」が廃止され、2026年から「電子的調剤情報連携体制整備加算(8点・一律)」に一本化されました。

旧・医療DX推進体制整備加算(2024年)との比較

区分2024年(R6)2026年(R8)
加算名称医療DX推進体制整備加算(3段階)電子的調剤情報連携体制整備加算(1段階)
加算1(最高)10点8点(一律)
加算2(中)8点
加算3(最低)6点
算定頻度月1回月1回

電子的調剤情報連携体制整備加算(8点)の主な施設基準

  • ✅ オンライン資格確認システムの導入・運用
  • ✅ マイナ保険証利用の推進(掲示等)
  • ✅ 電子処方箋の受領システム整備・重複投薬等チェック機能の活用
  • ✅ 薬剤情報・特定健診情報の閲覧・活用体制
  • ✅ 電子カルテ情報共有サービスへの参加(一部経過措置あり)
  • ✅ 「マイナ保険証活用促進」の院内掲示

🔵 ポイント

  • 旧・加算1(10点)→8点:▲2点
  • 旧・加算3(6点)→8点:+2点(要件充足で収益増の薬局も)
  • 医療情報取得加算(旧 月1回1〜3点)→調剤管理料注6として年1回1点に変更。年12回→年1回と算定機会が大幅減少
  • 施設基準の詳細(具体的な%等)は厚生労働省保医発通知(留意事項通知)を確認

⑤在宅患者訪問薬剤管理指導料の変更点|算定間隔が「6日以上」から「週1回」へ

在宅患者訪問薬剤管理指導料は、算定間隔のルールが見直しになりました。従来の「算定する日の間隔は6日以上」という規定が、「週1回」の算定へと改められています(出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」)。

  • 「6日以上の間隔」の縛りがなくなり、曜日を固定した毎週の定期訪問が組みやすくなる
  • 医師・薬剤師の同時訪問を評価する「訪問薬剤管理医師同時指導料(150点)」が新設(ポリファーマシー対策・残薬対策の推進)
  • 複数名での訪問を評価する「複数名薬剤管理指導訪問料(300点)」が新設
  • 在宅業務に力を入れている薬局にとって、算定機会が広がる方向の改定

⑥外来服薬支援料2(一包化加算)|日数別の点数計算

外来服薬支援料2の点数計算式は2024年から変更なし。ただし日数によって算定点数が変わる仕組みを正確に把握しておくことが重要です。

処方日数算定点数(R6/R8共通)計算
〜7日分34点34点×1
〜14日分68点34点×2
〜21日分102点34点×3
〜28日分136点34点×4
〜35日分170点34点×5
〜42日分204点34点×6
43日分以上240点(上限)一律

⑦服用薬剤調整支援料の変更点|支援料2は1,000点へ大幅引き上げ(2027年6月適用)

服用薬剤調整支援料1(125点):変更なし

減薬の提案が実際の減薬につながった場合を評価する服用薬剤調整支援料1(125点)は、2026年改定でも点数・要件とも維持されています。なお、服用薬剤調整支援料1・2や外来服薬支援料1などを算定した患者は、新設の「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回)」の対象になります。

服用薬剤調整支援料2:110点/90点から1,000点へ再編(適用は2027年6月1日)

服用薬剤調整支援料2は、従来の「重複投薬の解消提案」への評価から、かかりつけ薬剤師によるポリファーマシー(多剤服用)患者への包括的な介入を評価する項目へと大きく再編されました。

項目2024年(R6)改定後
点数イ 110点/ロ 90点1,000点
算定間隔3月に1回6月に1回
実施者保険薬剤師かかりつけ薬剤師(必要な研修を受けた者に限る)
上限かかりつけ薬剤師1人につき月4回まで
適用日2027年(令和9年)6月1日から適用

新しい1,000点の体系が適用されるのは2027年(令和9年)6月1日からです。それまでは現行どおりイ110点/ロ90点で算定します(出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」)。

⑧地域支援・医薬品供給対応体制加算の変更点|名称変更+後発医薬品調剤体制加算は廃止

2024年の「地域支援体制加算」は、2026年から「地域支援・医薬品供給対応体制加算」(5段階)に名称変更・再編されました。また後発医薬品調剤体制加算3加算はすべて廃止されました。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の点数比較

区分2024年(R6)旧・地域支援体制加算2026年(R8)新・地域支援・医薬品供給対応体制加算差分
加算132点27点(医薬品安定供給体制評価)▲5点
加算240点59点+19点
加算310点67点+57点
加算432点37点+5点
加算5(なし)59点(新設)新設

💡 加算1は医薬品の安定供給体制(後発医薬品供給対応等)を評価するものに特化。加算2〜5は地域医療への貢献実績を評価する体系で大幅増となっています。

🚫 後発医薬品調剤体制加算:全廃(R8より)

後発医薬品調剤体制加算(加算1〜3)は2026年(令和8年)6月より全廃されました。後発医薬品の使用促進評価は地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されます。

廃止された加算2024年(R6)旧点数2026年(R8)
後発医薬品調剤体制加算121点廃止
後発医薬品調剤体制加算228点廃止
後発医薬品調剤体制加算330点廃止

⚠️ 対応が必要:2024年度の後発医薬品調剤体制加算届出薬局は、地域支援・医薬品供給対応体制加算(新)の施設基準を確認し、2026年5月31日までに届出変更が必要です(経過措置あり)。

⑨2026年改定が薬局収益に与える影響まとめ

🔴 マイナス影響が大きいパターン

  • 15〜27日処方が多い薬局:調剤管理料 50点→10点(▲40点/処方)
  • かかりつけ薬剤師指導料を多く算定していた薬局:76点→45点(▲31点/回)
  • 後発医薬品調剤体制加算を取得していた薬局:全廃(21〜30点/処方がゼロに)
  • 医療情報取得加算を毎月算定していた薬局:月1回→年1回(算定機会が1/12に)
  • 医療DX推進体制整備加算1(10点)を取得していた薬局:10点→8点(▲2点/月)

✅ プラス影響があるパターン

  • 28日以上の長期処方が多い薬局:調剤管理料60点維持+基本料アップ
  • 在宅業務を行う薬局:通常患者の訪問が月2回→月4回(算定機会倍増)
  • 地域支援体制加算2〜4取得薬局:大幅プラス改定(加算3は10→67点)
  • 医療DX推進体制整備加算3(6点)取得薬局:6点→8点(+2点)

各算定項目の詳細解説(個別記事リンク)


まとめ|2026年調剤報酬改定の重要ポイント

  • 📌 調剤管理料:27日以下は一律10点(15〜27日は▲40点の大幅マイナス)
  • 📌 服薬管理指導料:かかりつけ薬剤師指導料廃止・統合。手帳あり3ヶ月以内=45点、それ以外=59点
  • 📌 電子的調剤情報連携体制整備加算:医療DX加算3段階→8点に一本化
  • 📌 在宅患者訪問薬剤管理指導料:算定間隔が「6日以上」から「週1回」に見直し(医師同時訪問150点・複数名訪問300点も新設)
  • 📌 地域支援体制加算:名称変更+5段階に再編(加算3は10→67点の大幅増)
  • 📌 後発医薬品調剤体制加算:全廃(加算1〜3すべて廃止)
  • 📌 服用薬剤調整支援料2:110点/90点から1,000点へ大幅再編(かかりつけ薬剤師要件化・適用は2027年6月1日から)

(出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」関連告示・通知 / 2026年4月現在)

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この記事を書いた人

現役調剤薬局薬剤師。収益構造と調剤報酬データをもとに、薬剤師の年収・転職判断を解説しています。

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