薬学生向け

【企業分析シリーズ】3034クオールホールディングス 特徴や業績もわかりやすく解説

クオールホールディングスはどんな会社?

事業:①主力の保険薬局


クオールHDは、日本全国に広がるネットワークを持ち、主要都市から地方まで幅広く店舗を展開しています。医療モール内や病院の近隣に出店することで、医療機関との連携を強化し、患者の利便性を高めています。

出店傾向:マンツーマン薬局が特徴

医療機関とのマンツーマンの関係となる薬局を基本に、医療機関との連携を基にして患者様への医療の質向上につなげています。

医療機関との連携を強化することは医療機関受診→調剤→調剤後フォロー→医療機関受診のサイクルをサポートする上で重要です。

駅ナカ出店やローソンと提携も

ローソンと提携してドラッグストア機能を有した薬局、ビッグカメラ内への薬局出店、駅ナカや駅チカなど様々な出店傾向を有しているのは特徴的です。

こういった提携はドラッグストアのような調剤機能+生活用品といった形態に近いように思われます。
利便性の高い場所で薬局も一緒に利用してもらえるメリットがあります。

事業:②医薬品製造販売事業:「DSEP」「フジナガ」

2024年4月に「第一三共エスファ」が子会社となり医薬品製造販売事業が拡大しました。
この「第一三共エスファ」はAGを得意としており、GEの安定供給とGE推進に力を入れていることがわかります。
GEのメーカー名としては〇〇錠「DSEP」という表記になっているものが多いです。

他にも抗てんかん薬の多い「藤永製薬会社」による製造販売も行っています。
GEのメーカー名としては〇〇錠「フジナガ」という表記になっているものが多いです。

第一三共エスファの株式譲渡(連結子会社の異動)に関するお知らせ

事業:③派遣事業

アポプラスステーション株式会社が派遣事業を担っています。

派遣事業は主にCSO事業(MR派遣事業)とCRO事業(臨床試験支援事業)があります。

MR派遣は自社のMR研修プログラムを提供しています。
こちらは「MRプラスドットコム」で募集を行っています。

CRO事業は医薬品・食品の臨床試験業務支援とCROの派遣を行っています。

事業:④出版関連事業

メディカル区オール株式会社が担っている事業になります。
医療従事者や患者向けの資材を製薬会社へ提供していたり、自社での活用を行っています。

最近の業績:薬価改定が影響

過去から見ても売上は右肩上がりで成長をしている企業ということがわかります。
ただ2023、2024で営業利益が下がり気味になっているので直近は増収減益が続いていることがわかります。

調剤薬局が主な事業になるため薬価改定の影響で営業利益が落ちてきてしまうのが原因の一つでしょう。
2026年に売上3000億円、営業利益240億円を目標としているように、M&Aをはじめとした成長戦略を示しています。